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火災保険と同時に加入を検討する「地震保険料」の値上げが決定しました。

地震保険料全国平均で3.8%の値上げ

2017年6月15日、損害保険料算出機構は「損害保険料率算出団体に関する法律」(料団法)に基づいて、金融庁に地震保険基準料率の変更に関する届出を行いました。地震保険は国が運営している保険であり、火災保険とは仕組みが異なるため、保険料の改定には金融庁の許可が必要になるのです。

この保険料の引き上げは2019年1月から適用されます。

概要

地震保険基準料率の基本料率(全国平均): +3.8%
最大引上げ率: +14.9%
最大引下げ率: -15.8%

各都道府県ごとの引き上げ幅

建物の構造(注)イ構造ロ構造
都道府県現行[円]届出[円]改定率現行[円]届出[円]改定率
北海道0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
青森県0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
岩手県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
宮城県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%
秋田県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
山形県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
福島県0.740.85+14.9%1.491.70+14.1%
茨城県1.351.55+14.8%2.793.20+14.7%
栃木県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
群馬県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
埼玉県1.561.78+14.1%2.793.20+14.7%
千葉県2.252.50+11.1%3.633.89+7.2%
東京都2.252.50+11.1%3.633.89+7.2%
神奈川県2.252.50+11.1%3.633.89+7.2%
新潟県0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
富山県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
石川県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
福井県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
山梨県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%
長野県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
岐阜県0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
静岡県2.252.50+11.1%3.633.89+7.2%
愛知県1.711.44▲15.8%2.892.47▲14.5%
三重県1.711.44▲15.8%2.892.47▲14.5%
滋賀県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
京都府0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
大阪府1.321.26▲4.5%2.382.24▲5.9%
兵庫県0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
奈良県0.810.78▲3.7%1.531.35▲11.8%
和歌山県1.711.44▲15.8%2.892.47▲14.5%
鳥取県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
島根県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
岡山県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
広島県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
山口県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
徳島県1.351.55+14.8%3.193.65+14.4%
香川県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%
愛媛県1.201.200.0%2.382.24▲5.9%
高知県1.351.55+14.8%3.193.65+14.4%
福岡県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
佐賀県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
長崎県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
熊本県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
大分県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%
宮崎県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%
鹿児島県0.680.71+4.4%1.141.16+1.8%
沖縄県0.951.07+12.6%1.841.97+7.1%

長期契約での割引率の引き下げ

保険期間2年3年4年5年
長期係数現行1.902.753.604.45
届出1.902.803.704.60

なぜ、地震保険料が見直されたのか?

表向きの理由

地震調査研究推進本部地震調査委員会が作成する地震モデルが改定されたので

「全国地震動予測地図2017年版」
http://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2017/

  • 地震の確率が上がった都道府県 → 保険料を引き上げ
  • 地震の確率が下がった都道府県 → 保険料を引き下げ

する必要があったのです。火災や水害と異なり、地震の発生率の予想は難しく、年々数値が変わってしまうため、その分保険料の変動も多いのです。

裏側の理由(推測)

2011年の東日本大震災を契機に、地震保険の加入件数、付帯率(火災保険加入者が地震保険に入る割合)が急増してしまっていることも要因と考えられます。

地震保険は、火災保険とは違い、損害は国が補てんします。東日本大震災のレベルで地震保険が適用されると、国側の損失も巨額になることが分かっているため、徐々に保険料を引き上げてバランスを取ろうとしているのだと推察されます。

その一環として、長期契約の割引率も引き下げているのです。

まとめ

地震保険料の値上げはある意味致し方ない部分が多いものです。元々、地震保険を民間の保険会社が提供すると、一回の大規模地震で保険会社が破たんしてしまうほど、保険会社の保険金支払いの損失が巨額になってしまうため、国が地震保険は提供しているものなのです。

地震大国である日本では、地震のリスクは年々拡大しているため、多少の保険料の値上げは受け入れて、火災保険と同時に地震保険にも加入することをおすすめします。現時点でも、火災保険加入者の6割の方は地震保険を付帯しています。