当然、「火事になったときに保険金がもらえる保険」と思っている方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、上記は間違ってはいませんが、正しい理解とは言えません。ここでは火災保険について解説します。
他人のせいで火災が起きても、損害賠償は受けられない!?
日本には「失火責任法」という法律があります。
この法律では、他人からのもらい火でマイホームが火災になった場合にも、出火元に重大な過失がない限りは、損害賠償で損害金を請求することはできないのです。
隣の家が火事になってしまい、そのもらい火でマイホームが火事になってしまったとしても、通常の法律では損害賠償金を請求できないことになっているのです。
そのため、マイホームを持っている方や不動産投資などで物件を持っている方は、火災が起きてしまえば、そのまま住宅の資産分、損をしてしまうというリスクを抱えているのです。
だからこそ、多くの方は火災保険に入り、他人から受ける損害のリスクに対しても備えているのです。
火災だけではない火災保険の特徴
火災保険と聞くと「火災だけに備える保険」として解釈してしまうのは当然ですが、実は火災保険には様々な補償が用意されているのです。
- 火災「火災、落雷、破裂・爆発」
- 風災「風災、雹(ひょう)災、雪災」
- 水災「台風、集中豪雨などを原因とした洪水や土砂崩れ」
- 日常災害「盗難、水ぬれ、建物外部からの物体の衝突」
- その他「偶然な事故による破損・汚損」
- ・・・
など、色々な災害に対して保険金が降りるのです。
上記は特約ではなく、ほとんどの火災保険でははじめから補償されているのです。
そのため、最近では火災保険という名称を使わずに「住まいの総合保険」というような名目で販売している損害保険会社も増えてきています。
火災保険は、火災という名前がついているものの、火災だけでなく、住まいに起こるほとんどの損害について補償が出る住まいの総合保険なのです。
火災保険は建物だけじゃなく、家の中の資産「家財」も保険の対象になる
火災保険には、住宅の建物が火災になった時に保険金がおりるものというイメージが強いのですが、実際には家の中の資産についても補償の対象に含めることができます。
- テレビや冷蔵庫などの家電製品
- ソファーやベッド、タンスなどの家具
- 衣類
- 生活用品
- 貴金属、宝石、美術品
なども火災保険の対象になるのです。貴金属や宝石、美術品で高額なものに関しては、明記物件として別途申請が必要ですが、高額なものをお持ちの方は家財も火災保険の補償対象に入れておくべきなのです。
「建物」と「家財」の補償をどうするかは火災保険加入時に決めることができます。「家財」を保険の対象にしないことも選択できますし、外せばその分火災保険の保険料が安くなることになります。
地震だけは火災保険の対象外
火災保険は住まいの総合保険と解説しましたが「地震」だけは対象外になっています。
地震が原因で起きた火災に関しては補償されないのです。
これはなぜかというと
地震というのは規模が大きくなればなるほど住んでいる地域全体で被害が起きてしまうものです。
そのため、損害保険会社が火災保険で補償対象を地震までに設定してしまうと、ある地域で大規模な地震が起きてしまった場合には、火災保険の保険金の支払いができず、民間の保険会社はリスクに対応できないことになってしまうのです。
しかし、日本は地震大国であり、火災以上に地震に対する保険を必要とするニーズも多い為、地震保険は民間企業ではなく、国が法律によって作り上げた保険なのです。
販売自体は火災保険の付帯契約として民間の保険会社が販売していますが、保険料は金融庁が決めた一律のものが適用され、どの保険会社から加入しても同じ保険料が設定されるのです。
まとめ
火災保険は住まいの総合保険です。
マイホームを持っている方や不動産投資をする方にとっては、住まいに起こりうる様々なリスクを補償してくれるため、火災保険の加入が必要なのです。
また、火災保険では地震による火災の場合には保険金が降りないのですが、これは火災保険に付帯される地震保険に別途加入することで対応が可能です。
不動産を持っているのであれば、火災保険の加入をおすすめします。